血が泣いているんだよ

祖母が永眠した。

まとめると感情的になりそうなので箇条書きで書く事にする。

母の日に葬式を送る父叔母叔父の心境/こないだ注文したカーネーションが間に合わなかった/叔父叔母父が娘息子になっていた/骨と皮だけになっても特徴って残るんだな/ぼくがおかされたロックンロールに希望なんてないよ、あるのは気休めみたいな興奮それだけさ/血が泣いているんだよ。

祖母の長男なのであって、幼少期に接している時間は孫の中では一番長かった筈/両親共働き故、祖母が母代わりになっていた時間も沢山あった/僕は焼き魚の骨をキチンと綺麗に残して食べる方法を教わった/なんだかそれはとても貴重なスキル、高貴なものと僕は思って、出来ない人を蔑んだりもする/というわけで貴重なスキルを教えてくれた人でもあった/

祖母に僕は今まで何かしてあげた事があっただろか/感謝しているのは気持ちだけで形に残した事はあっただろか/駄目な孫でごめんなさい/祖母がいなければ僕はたぶん、今の人格ではないと思う/破天荒であった/怖かったこともある/色んな意味で教わった人/教師の一人であったとも言える。

やり残した事が多い/伝えたかったことがたくさんあった/それは今になっての話だけど/申し訳ない/ただ伝えるという行為だけでもしたかった/伝わらずとも、伝えたという事実だけ欲しかった、晩年。

静岡出身の祖母に富士山が世界遺産になったことを伝えたかった/将来嫁さんになる相手を紹介したかった/だけど僕の準備が悪く、それが出来なかった。

最後の行が僕が一番したかったことであった。


お墓に入ってもじーちゃんと喧嘩すんなよ。