『無題』

あのときに違うリアクションをしていればこうはならなかったのかしら。救えた命もあったのかしら。自分のひとつの判断が、ひとつの命を終わらす事に、なってしまったのかしら。自分を責めればいいのかしら。それとも死すら責めればいいのかしら、それだけの強さがなければ、あのとき拒絶する資格はなかったのかしら。

自分は人の絶望に加担した、という疑念が晴れない。

本当は大声でだらしねえな、と叫びたいんだが、そうする覚悟が僕にはまだ無い。起きた状況に留まってしまって、そこに至った自分の経緯を見返す事が出来ていない。

整理して考えれば、自業自得だ、と書く事は出来ても、友人の死を自業自得だと言えるだけの覚悟が無い。

その友人の冥福を僕が祈って良いものなのかも分からない。

ただ悲しい。やるせない。腹が立つ。